――瀬名秀明さんの「後生ですから」――
2000年6月16日に、私の始めての短編集『西城秀樹のおかげです』が発売になります。
イースト・プレス刊、四六判ハードカバー、1600円です。
収録作品は……「西城秀樹のおかげです」「哀愁の女主人、情熱の女奴隷」「天国発ゴミ箱行き」「悶絶! バナナワニ園!」「地球娘による地球外クッキング」「テーブル物語」「エロチカ79」。
これまでアンソロジーに発表した百合系お笑い小説に、書き下ろし「テーブル物語」を加えました。
帯の推薦文は、業界ではさわやかな好青年として知られるホラー作家、瀬名秀明さんが書いてくださいました。
そして、関係者の間では「あの瀬名さんがこの推薦文を書いたのかっ?」と驚きの声があがったのでした。
以下がその推薦文です。
ああ、森奈津子さん、ついにこの窮極の真理を公表されるのですね。かつ
て歴史の父ヘロドトスはその優れたジャーナリスト精神によって「エジプトは
ナイルの賜物」と看破しましたが、その業績を遙かに凌駕して、森さんは
美しい瞳で人間の営みの本質を見抜いたのですね。うっとり……。ああ、そ
うです、確かに子供のころ私は「ワーイ・M・C・A!」とテレビの前で踊
っていました。しかも西城秀樹には「パラサイト・ラヴ」という幻の名曲が
あり(作詞作曲はサンプラザ中野!)、私はいつかこれをカラオケで熱唱し
てやるという野望に燃えています。私がいまここにあるのも西城秀樹のおか
げなのです。恐るべし西城秀樹。やはり只者ではありません。しかしいくら
窮極の真理とはいえ、こんなにあからさまに世間に公開してよいものなので
しょうか。僥倖にも本書の推薦役を仰せつかった私の人生は一体どうなるの
でしょう。今後はどんなにカタい科学本の解説を書いても「ほら、あの西城
秀樹の…」といわれてしまうことでしょう。それもまた名誉です。本書に記
された真理の普及に微力ながら尽くさずにはいられません。ああ、森さん、
この本は凄すぎます、面白すぎます、バカバカしすぎます、病みつきになり
ます、あっ、あっ、もう堪忍して下さいっ、後生ですから……っ!
――「後生ですから」ときたら、即、緊縛だっ!(意味のわからない人は、『西城秀樹のおかげです』収録の「エロチカ79」をお読みくださいませ)
というわけで、上品で有名な瀬名さんは、こちらの乗りに合わせてくださったのですね。なんといい人なのでありましょう。感謝です、瀬名さん。楽しい推薦文をありがとうございます。
だけど……。
だけど、「後生ですから」ときたら、即、緊縛ですよっ!
2000.6.7
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