地下牢

 

  スタジオ如月のFさん

 電脳建築士(プログラムアーティストとも申します)。
 年齢・性別・国籍・経歴は不詳……ということにしてほしいと、ご本人がおっしゃっています。
 西暦1998年、白百合城を設計、見事完成させましたが、その出来のよさにびびった城主に
より地下牢に幽閉されたという、現代日本のダイダロスだとも申せるお方でございます。
 幽閉中の身にもかかわらず、この地下牢を仕事場に、しぶとく電脳建築士の仕事を続けて
いらっしゃるご様子。
 そんなFさんに、あなた様も〈お仕事依頼メール〉や〈お仕事のお問い合わせメール〉や
〈白百合城の感想メール〉や〈激励メール〉を送ってはみませんか?
 FさんのEメール・アドレスは、kgg01327@biglobe.ne.jpでございます。
 
  橋本あおいさん

 本職は某大企業のプログラマー。日々、会社のホストコンピュータと格闘しておられます。
 元々は、城主が高校三年のときに同じクラスにいた読書仲間でございます。
 まだ、耽美・やおい系雑誌が『JUNE』一誌だったころ、「ホモネタ読みたけりゃ、欧米の女性
作家のSFもしくはファンタジーを当たれ」という読書術を、城主と共に実践しておられました。
 当時、C・J・チェリイ、エリザベス・リン、タニス・リーといった女性作家の作品が、二人共通の
「妖しい系愛読書」だったのです。
 アーシュラ・K・ル・グィンの『闇の左手』の邪な読み方(頭の中で勝手に登場人物を美形に
設定する)は、橋本様が城主に教授したのでございます。
 ああ、なんと素晴らしいご学友!
 しかし、そんな過去を隠すために、城主は彼女を幽閉し、ハンナ像を描かせたのでした。
 

 

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